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リニアコライダーpodcast第75回

Podcast75

東海村にあるJ-PARKセンター内の物質・生命科学実験施設にお邪魔してきました。高エネルギー加速器研究機構の三島賢二先生、東京大学理学系研究科物理学専攻博士課程在学中の生出秀行さん、そして東北大学大学院理学研究科物理学専攻修士課程在学中の鈴木善明さんにお話をしていただきました。今回から数回にかけてはその模様をお届けします。


どのような実験をしていらっしゃるのですか。
高速の中性子を発生することのできる実験装置を用いて中性子の寿命を測定しています。中性子の寿命は約15分ですが、その値を実験により正確に算出して理論と比較します。測定方法は、大量の中性子をガスカウンターの中に流して崩壊する中性子の数を測定する方法をとっています。つまり、流れる中性子の数、中性子の速さ、ガスカウンター内で崩壊する数、そしてガスカウンターの大きさがわかっていれば、中性子がどのくらいのレートで崩壊するのかがわかるということなのです。


中性子の寿命を測るとどのようなことがわかるのでしょうか。
ビッグバンが起き、宇宙が広がると、温度が下がります。宇宙全体のエネルギーは広がる前と同じなのですが、部分的に見ると体積あたりのエネルギーは小さくなって冷えてしまいます。例えば、スプレーを想像してください。スプレーの中の物質は常温ですが、スプレーから噴出されると、狭いところから広いところへ放出されて体積が大きくなるので冷たくなります。温度が下がると、物体が液体から固体になるのと同じように、ビッグバン直後の熱いスープのような状態の宇宙からクォークが生成され、クウォークが結びついて核子(陽子及び中性子)、核子が結びついて原子と順次生成されます。このうち、核子から原子ができる課程を精密に調べるためには、出来上がった中性子がどのくらいの寿命を有するのかを調べることが不可欠なのです。


三島先生のお気に入りの実験を教えてください。
中性子をとても冷やすと、速度がとても遅くなります。約1ミリケルビン程度の温度にまで冷やしてそれをニッケルのような箱に入れると、なんと中性子を閉じ込めることができるのです。ちなみに室温では、中性子は秒速2000mほどの速さで動きます。通常は戦闘機くらいの速さで動き回る中性子も、冷やせば箱に閉じ込めることができるのです。


J-PARCホームページ

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コメント

たけちゃん、また出てくれないかな〜

投稿: おはよん | 2011年3月15日 (火) 23時01分

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